Q&A
桜の文様の着物は春にしか着てはいけませんか?
桜は古代日本語では「さ・くら」です。「さ」は早苗(さ・なえ)、五月(さ・つき)などに残っているように、「田んぼの神様」を意味します。「くら」は倉、蔵、鞍などを意味します。つまり桜は「田んぼの神様が居られる所」という意味です。古来、日本人は桜の開花時期に「さ・け」「さ・かな」を捧げ、豊作を祈願したのです。桜の文様は五穀豊穣を意味する吉祥文様ですので、一年中着ても良い思います。江戸時代の夏物にも桜文様の着物が残っています。
黒留袖と色留袖はどちらが格上ですか?
着物の格は紋の数で決まります。ですから、五つ紋付きの色留袖と五つ紋付きの黒留袖は同格です。結婚式では、黒が色物に比べ一番控えめな色ですので、母親、仲人は黒留袖が相応しいと言えます。叔母、伯母、恩師などは色留袖でも良いでしょう。ただし、宮中での叙勲は必ず色留袖になっています。
喪服の紋は実家、嫁ぎ先、どちらの家紋を付けるべきなのでしょうか?
喪服は正式には黒紋付(黒無地5つ紋付)です。昔は十三参りを済ませた女性は一人前の大人とみなされ、黒紋付を揃えました。他家へ嫁ぐときも、紋はそのままでした。紋も見れば、何家から嫁いで来たかが分かったのです。ですから、実家の家紋を付けて持たせるのが相応しいといえます。ただし、現代では、結婚して数十年も経っている場合は、ほとんどの方が嫁ぎ先の家紋をつけています。
コーディネートの基本を教えてください。
着物は、1月~4月は明るい色、5月~8月は寒色系、9月~12月は暖色系を基本にすると良いでしょう。帯は、一般的には淡い、明るい色の着物には濃い色の帯を、濃い色の着物には淡い、明るい色の帯を合わせると良いでしょう。身長が気になる方の場合は、背が高い人は反対色、低い人は同系色の帯を合わせると良いでしょう。
帯締めは淡い、明るい色の帯には帯の中にある濃い色から、濃い色の帯には帯の中にある淡い、明るい色から選ぶと良いでしょう。帯揚げは着物と帯の中間色で、暖色系か寒色系かを季節に合わせて選ぶと良いでしょう。バックは、正装には明るく、小さめのものにしましょう。お洒落には濃く、大きめのバックでも構いません。
色無地と江戸小紋で、同じように見えるのに価格が大きく違うのは何故ですか?
生地の違いも少しはありますが、多くは染め方の違いです。色無地は、ローラーによる炊き染め(色桶に白生地を浸す染め方)、職人による炊き染め、引き染め(伸子張りした白生地に刷毛で染める染め方)によって価格が違ってきます。
江戸小紋は、機械捺染(プリント染め)、シルクスクリーン染(紗張した型紙で型置きする染め方)、伊勢型染(伊勢型紙を使って型置きする染め方)によって価格が違ってきます。