織絵屋のブログ
09/03: 店主のよもやま話⑫
松山です。この一カ月、日本だけでも熊本地震、千葉豪雨、岩手県南部の大雨など大きな災害が起きました。被災地に心を寄せながら、自分に出来ることで応援していきましょう。
今月も共にがんばっていきましょう。
秋田にお墓参りに行ってきました!
妻は秋田出身です。秋田市土崎にお墓参りに行ってきました。誰も守る人がいなくなり、年々、傷んでくるお墓を見るたびに、どうしたものかと悩んでいます。
秋田県立美術館の素敵なカフェ
お墓参りの後、妻の姉夫婦の家に一泊。次の日、秋田県立美術館で開催中の「超写実 ホキ美術館名品展」を鑑賞。本当に絵画?と思えるほど川の透明感がすごい絵に感動しました。
併設のカフェが、また素晴らしく、何時間でも滞在したい空間でした。

手前が床、ガラスの窓越しにインフィニティプールがあり、その向こうの濠(ほり)と千秋公園が一体化して絵画のように見えます。また、紅葉の季節にも訪れたくなりました。
今月の24節気「白露」「秋分」「中秋の名月」
9月7日、白露(はくろ)に入ります。草の葉に白い露が結ぶという意味。昼間の気温はまだ高いですが、夜間の大気が冷やされ、草花に朝露が白く輝くように見えることから名付けられたのでしょう。
白露を過ぎると、ツバメが南の国に帰り始めます。昔の沖縄ではツバメ文様(トゥィグワー)が織り込まれた琉球絣を嫁ぐ娘に持たせたそうです。
これは、ツバメが遠くに行っても、また元の場所に戻ってくることに由来するそうです。

ツバメ文様が織り込まれた琉球絣
23日、秋分(しゅうぶん)に入ります。3月の春分と同じように、太陽が真東から真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになります。
ご先祖が住む彼岸(極楽浄土)があるといわれる真西に太陽が沈むことから、亡くなった人をしのぶ日とされています。また、この日がお彼岸(20日~26日)の中日とされます。
喪服(黒紋付)を秋分に合わせて揃えると、一族の家紋が増えたとご先祖が喜ぶと言われています。
25日は中秋の名月です。澄み渡る秋の空に輝く月が、いくつになっても美しく見えるのは私だけではないでしょう。

今年のフウセンカズラは?
過去4年、毎年、皆様に楽しんでいただいた『フウセンカズラダービー』ですが、今年はどういうわけか、フウセンカズラがうまく育っていません。

8月20現在、まだ、こんな状態です。
ちなみに、昨年のフウセンカズラは下のように育っていました(令和7年8月21日撮影)。

もうしばらく、水やりや肥料を工夫して育ててみます。9月下旬までに実(フウセン)がたくさんついたら、『フウセンカズラダービー』をやりましょう。
今号も読んで下さり、ありがとうございます。
09/03: 伊勢型小紋と江戸小紋
織絵屋の松山です。前回に続きますが、漉いた和紙を柿渋で貼り合わせた「型地紙」に、伊勢型紙の彫師が文様を彫っていきます。彫り技法には、「錐彫り」「突き彫り」「道具彫り」「縞彫り」があります。
これらの彫り技法で完成したものが伊勢型紙です。
伊勢型紙を使って染められたものが伊勢型小紋、または江戸小紋と呼ばれます。
昭和30年、伊勢の型紙職人の6名が人間国宝に認定された時、同時に人間国宝に認定されたのが東京の染め師・小宮康助氏です。氏が人間国宝の打診をされたとき「そんな名誉は伊勢型紙の彫師に与えるべきだ」と言ったという話は有名です。
そんな経緯もあり、他の伊勢型小紋と区別して「江戸小紋」という名称が生まれました。
現在では、伊勢型紙を使って東京で染められた小紋が江戸小紋、京都や他で染められた小紋が伊勢型小紋と呼ばれています。
どちらにしても、伊勢型紙を彫る技術も、その型紙を使って染める技術も大変な技といえます。
京都に「染処・古今」という染工房があります。人間国宝の遺作の伊勢型紙を使って染める唯一の工房です。「染処・古今」が人間国宝の名を使って高額で販売しないことから、故人の遺族から一任されたそうです。
今月13日(日)~15日(火)まで、店内にて古今の安江社長に来ていただき、『伊勢型小紋 人間国宝三人展」を開催します。
実際に、人間国宝が彫った伊勢型紙を見ることができます!興味のある方はお問い合わせ、またはご来店ください。
08/07: 店主のよもやま話⑪
シジュウカラのヒナたちが無事に巣立ちました!
先月、述べたシジュウカラは、ヒナが巣立ち、ちょっと寂しくなりました。
もうしばらくしたら、巣箱を下ろし、掃除して来年の巣作りに備えようと思います。
この時期に読んでほしい本の紹介
色々と問題はありますが、平和な現在の日本。これらの本で、その礎となった無名の人々のことを知って欲しいと思い、ご紹介します。
これらの無名の人々がいなかったら、間違いなく、北海道はソ連に占領され、日本は南北に分断され、現在の平和はなかったはずです。

『終わらざる夏』浅田次郎著(上・中・下3巻)
終わったはずなのに、千島列島の占守島に攻めてきたのは米軍ではなくソ連軍だった…

『陸軍中将 樋口季一郎の決断』東雲くによし著
2万人のユダヤ難民をを救い、北海道をソ連から守った旧陸軍中将。
樋口季一郎は、戦後、親族の甥や姪の面倒を見るために、私の故郷・宮崎県の小林市に転居。
毎日、戦没者の冥福を祈りながら、隠遁生活を送りました。
今月の24節気 「土用」 「立秋」 「処暑」
8月6日まで夏の土用です。土用の期間は体調を崩しやすい頃ですので意識してすごしましょう。
8月7日、立秋(りっしゅう)に入ります。朝夕が涼しくなり秋の気配が立つ頃です。秋とはいっても、一年で最も気温が高い頃です。
この頃の空は「行き会いの空」と呼ばれ、モクモクした入道雲と秋のうろこ雲が同時に見られることがあります。

夏と秋の雲が一緒に見られる「行き会いの空」
23日、処暑(しょしょ)に入ります。「処」には落ち着くという意味があります。
朝夕の気温が下がり始め、夜には虫の音も聞こえ始めます。
秋の王様「サンマ」の走りの時期です。まだ、脂が軽やかで美味しいですね。塩焼きにスダチで。刺身も外せませんね。

シャインマスカットやイチジクも旬を迎えます。
浴衣パーティー&小坂ツアーの報告
7月16日、浴衣パーティーを開催。
ゾーナイタリアでのランチ。参加者の投票で3賞を選ぶ。くじ引きで順番を決めて、好きな景品をゲット。…など楽しいイベントでした。




6月21日、小坂ツアーに出かけました。
隈研吾さん設計の道の駅「おおゆ」でショッピング、閉校した小学校を利用したカフェでのランチ、そして明治時代の芝居小屋・康楽館で人情芝居と舞踊を楽しみました。



秋も色々と企画しています。今号も読んで下さり、ありがとうございます。
令和8年7月22日
08/07: 伊勢型紙について
織絵屋の松山です。今回は、江戸小紋や友禅小紋、浴衣を染める型紙「伊勢型紙」について述べます。
今から1200年ほど前、子音観音寺の不断桜の落ち葉に空いた虫食いの穴を見て、模様を染める『型紙』に思い至ったという人の伝説が残っています。

その後、武士の裃を染めるために用いられ、やがて、江戸庶民の意気から「そこ至り」といわれる超微細な文様を染める型紙まで彫られるようになりました。

型紙は伊勢の白子(現在の三重県鈴鹿市白子)で彫られ、紀州藩の庇護を受け、独占的に発展したことから伊勢型紙と呼ばれるようになったのです。
伊勢型紙の製作工程は以下の通りです。
手漉きの美濃和紙3枚を縦横縦と交互に柿渋で貼り合わせていきます。それを天日干し後、杉のおがくずで一週間ほど燻してから柿渋に浸し一ヶ月半ほど乾燥させると、焦げ茶色の「型地紙」になります。
出来た「型地紙」を実際に型彫りに使うまでには、さらに、1~2年も寝かせる必要があるそうです。
そして、昭和30年の人間国宝制度の発足時に、人間国宝に認定された30名の中に伊勢型紙職人が6人もいることから、その技のすごさが理解できます。
伊勢型紙は美濃和紙を漉くことも含め、多くの時間と熟練の職人の手仕事によって完成しているのです。
07/04: 店主のよもやま話⑩
松山です。暑さはこれからですが、夏至を過ぎ、季節は秋に向かい始めます。今月もともにがんばっていきましょう。
巣箱にシジュウカラが巣作り
5月の連休中、巣箱を二つ作りました。様々な野鳥が飛んで来るので、もしかしたら巣作りしてくれるかなと思い、庭の桜の木に設置しました。

不器用な私は、固定しようと釘を打つ時に左の人差し指を強打。痛いのなんの。まあ、いつものことなんですが、トホホホ…です。
5月下旬に、度々、一つの巣箱を下見に来る小鳥がいましたが、やがて、口に毛や羽根を加えて出入りするようになりました。
1週間くらい後、もう一つの巣箱にも入っていく小鳥が。

どちらも、シジュウカラのようです。
順調にいけば、7月中旬頃には、それぞれ10羽ほどのヒナが巣立つはずです。それまでは、毎朝の素振りは休んで、見守りたいと思います。とても楽しみです。
今月の24節気 「小暑」 「大暑」 「土用」
7月7日、小暑(しょうしょ)に入ります。生ぬるい南風が吹き始める頃。蓮が咲き始め、鷹が巣立つ頃でもあります。
この頃から熱中症予防として、有酸素運動や入浴で汗をかくようにして、暑熱順化(ショネツジュンカ)のトレーニングを始めしょう。
7月7日は、七夕でもありますが、これは中国の「乞巧奠(キッコウデン)」という裁縫の上達を願う行事と日本の「棚機津女(タナバタツメ)」という水神(龍神)に穏やかな天候を願う機織りの行事が結びついたものです。
棚機津女・・・龍神に捧げる白絹を織る乙女
23日、大暑(たいしょ)に入ります。一年で最も暑い頃という意味ですが、実際の暑さのピークはもう少し後になります。
大暑の時期は、大気の状態は不安定で、江戸の頃から「夕立」は夏の風物詩とされていました。
歌川広重が描いた「夕立」
20日~8月6日まで夏の土用です。土用の期間は体調を崩しやすい頃ですので意識してすごしましょう。
生真面目な染色作家はバカなのか
6月1日、2日、京都に出張してきました。涼しげな半衿や羽織紐などの小物を少し仕入れ、また、7月の『たなばた祭』、9月の催事をお願いする工房での打ち合わせでした。
どちらの工房も本物の技法にこだわり、お客様が後悔しない作品を染めている工房ですが、どちらでも、少し耳の痛い、悲しい話をされました。
「私どもは、先達の染織技法を大切に守りながら、時代に合わせて色柄を作り出して、消費者が後悔しない作品を染めています。」
「しかし、販売の現場に出てみると、口八丁手八丁の売り方で、プリント染やインクジェット染の着物や帯の方が売れている。」
自分は気真面目だから仕事に手抜きできないが、まじめに作るのが馬鹿らしく思う時がある。」と、作家の本音を聞かされました。

中嶋先生に話を伺いました!

中嶋先生のシマエナガの染帯
7月は蠟彩染(ろうさいぞめ)という友禅染の作品を創作している中嶋先生が来場されます。
今号も読んで下さり、ありがとうございます。
令和8年6月22日
