織絵屋のブログ
05/28: 『着物でランチ会』初開催!参加者募集
当店では、毎月日帰りきものツアーを開催しておりますが、来月は初めて着物でランチ会を開催いたします。
とき:6月16日㈪ 12:00~14:00
会場:旬の拵え『こくう』
ドレスコード:着物または浴衣
定員:10名 参加費:3,000円
応募締め切り6月10日㈫までといたします!
着物は着たいけど、着ていく場所がないとお困りの方、ぜひご参加ください!
当店をはじめてご利用の方は、お問合せよりメールまたは公式LINEより
『ブログを見ました!着物ランチ会参加したいです!』
と、お伝えください。
定員に達し次第、受付終了とさせていただきます。
04/10: きもののお手入れ&お直し
織絵屋の松山です。きものは高価ですが、お手入れをして、大切にすれば三世代に渡って着られます。今回は、様々なお手入れやお直しについて述べます。
丸洗いは、着物をそのままでドライクリーニングします。また、袖口や衿、裾などの部分洗いも可能です。
洗張りは、仕立て直す時に、着物をすべて解いてから、水で洗い流し、元の反物状に戻します。
シミ抜きは、丸洗いでは取れないシミ汚れを様々な技術でキレイにします。
それが難しいシミ汚れは、顔料や箔、また刺繍などで彩色加工を施し、見えなくします。
スレ直しは、着用時に摩擦で白っぽくなったスレの毛羽立ちを抑えて目立たなくします。
解けた刺繍や箔も元通りにキレイに直すことが出来ます。
仕立て直しでは、袖丈や裄、また身幅や身丈の寸法を直します。裏地の交換も出来ます。
家紋は、元紋を消し、新しい紋に入替え出来ます。
派手になった着物は、全体に色を掛けて地味することが出来ます。柄部分だけを彩色加工で地味にしたり、華やかにすることも出来ます。
また、着物を洋服や帯、羽織などにリメイクする方法もありますので、気軽に相談してみましょう。
03/26: 草木染きものの魅力とは
織絵屋の松山です。今回は見ているだけでも癒される草木染のきものについて述べます。
染色の起源は、草や木の繊維で織られた布を水や灰で漂白した時、たまたま鉄分を多く含んだ泥があったために発色し、それが泥染の始まりだと言われています。
様々な染色技術は、中国や朝鮮からの帰化人によってもたらされましたが、豊かな自然と四季のある日本では独自の数多くの色が作り出されました。
その結果、江戸時代には、色数80色以上も使って染められた友禅染もすべて草木染料だけで染めることが出来たのです。
ところが、20世紀に入ると、多くの化学染料がヨーロッパから輸入され、天然の染料・草木染料はあっという間に駆逐されてしまいました。
しかし、文芸者・山崎斌(やまざきあきら)は故郷の貧しい農村を少しでも豊かにしたいと、農家の副業として草木染による手織紬を復興させたのです。
『草木染』の名は、山崎斌(やまざきあきら)が、昭和5年、初めての手織紬復興展覧会を催した際、天然染料による染色を化学染料の染色と区別するために命名しました。
草木染は、全く同じ色を再現できない、濃色を染めるのに何度も重ね染めする手間がかかる、また、時間ともに色が変化する…などの欠点があるために量産することができません。
半面、土と草木の生命を写し取ったかのような味わい深い色に染め上がります。
そして、草木染のきものは着る人を優し気で美しく映えさせてくれるのです。
03/07: 野蚕「ムガシルク」「タッサーシルク」
きものは絹(シルク)から作られますが、絹(シルク)は蚕(カイコ)が吐く繭糸(まゆいと)が原料です。
蚕は家蚕、人間が飼いならした家畜ですが、三千年ほど前までは、自然の野山に生息していました。
一方、今でも自然の野山に生息し、桑の葉以外の木の葉を食べて育つ蚕を野蚕(やさん)と言います。
日本ではクヌギの葉を食べて育つ緑色の天蚕(てんさん)と栗の葉を食べて育つ茶色い栗繭(くりまゆ)が有名ですが、生産量が少ないので、見たことがない方も多いかと思います。
インドには、代表的な野蚕の「ムガシルク」と「タッサーシルク」があり、サリーやドレス、ショールなどに利用されています。
「ムガシルク」は金色に輝く美しい糸が特徴で、耐久性があり、柔らかく、滑らかな質感が特徴です。
「タッサーシルク」は自然な金色や茶色系の色合いで光沢感があります。マットな質感で、耐久性のあるシルクです。
京都にある呉服メーカー「貴久樹(きくじゅ)」は、一般的なシルクと違った独特の質感や光沢が特徴の「ムガシルク」や「タッサーシルク」を使い、日本の伝統的な染織技術で、他にない着物や帯を製作しています。
着物好きの方には見逃せない着物や帯です。
02/04: 友禅を庶民にまで広めた「型友禅」
織絵屋の松山です。今回は型友禅について述べます。
いわゆる友禅染とは、文様の輪郭を糊糸目で防染した後、その中に色を挿していく染技法です。
江戸時代の友禅染は、草木染料を使った手描きの一点物なので、大量に作ることは出来ませんでした。また、高価なために将軍家や大名、御所方、そして豪商など一部の人しか手にすることは出来ませんでした。
明治時代に、広瀬治助という友禅染の匠が、ドイツから輸入した化学染料と米糊を混ぜた色糊を使い、画期的な友禅染の染技法を開発しました。
色糊は染付と防染を同時にでき、型紙を使うことで同じ模様の着物をたくさん染めることが可能になったのです。この染技法によって、友禅は広く庶民の間にまで普及したのです。この染技法が型友禅です。
染め方をごく簡単に述べます。
まず、図案に合わせて、色数の分だけ型紙を作成します。板に張り付けた白生地の上に型紙を乗せ、鹿の胸毛で作られた特殊な刷毛で色糊を摺り込んで、染めていきます。
しかし、着物需要が激減した今日では、数多く染めることがないので、逆に型紙のコスト(数十枚から百枚ほど)がネックとなり、逆に希少になっています。
型紙を何枚も用いた型友禅は、本友禅とは違った立体感のあるほっこりした着物に染め上がります。