織絵屋のブログ

おきもののことお気軽にご相談ください。初めての方でも、わかりやすくご案内させて頂きます。

織絵屋の松山です。今回は、江戸小紋や友禅小紋、浴衣を染める型紙「伊勢型紙」について述べます。

 

今から1200年ほど前、子音観音寺の不断桜の落ち葉に空いた虫食いの穴を見て、模様を染める『型紙』に思い至ったという人の伝説が残っています。

 

その後、武士の裃を染めるために用いられ、やがて、江戸庶民の意気から「そこ至り」といわれる超微細な文様を染める型紙まで彫られるようになりました。

 

型紙は伊勢の白子(現在の三重県鈴鹿市白子)で彫られ、紀州藩の庇護を受け、独占的に発展したことから伊勢型紙と呼ばれるようになったのです。

 

伊勢型紙の製作工程は以下の通りです。

 

手漉きの美濃和紙3枚を縦横縦と交互に柿渋で貼り合わせていきます。それを天日干し後、杉のおがくずで一週間ほど燻してから柿渋に浸し一ヶ月半ほど乾燥させると、焦げ茶色の「型地紙」になります。

 

出来た「型地紙」を実際に型彫りに使うまでには、さらに、1~2年も寝かせる必要があるそうです。

 

そして、昭和30年の人間国宝制度の発足時に、人間国宝に認定された30名の中に伊勢型紙職人が6人もいることから、その技のすごさが理解できます。

 

伊勢型紙は美濃和紙を漉くことも含め、多くの時間と熟練の職人の手仕事によって完成しているのです。

織絵屋の松山です。今回は、あまり聞いたことがないと思いますが『蠟彩染』について述べます。

 

蠟彩染は友禅染の糸目(模様の縁の線)の糊の代わりに蝋(ロウ)を使って防染する技法です。

 

一般的なロウケツ染の作品は、色ごとにロウを重ねながら染めるので、淡い色の着物や帯はほとんどありません。でも、蠟彩染は淡い色の着物や帯を染められる利点があります。

 

蠟彩染の染工程は、まず、白生地に模様部分を溶かしたロウで描き、その後、地色を染めます。

 

ロウを洗い流すと、最初にロウで描いた部分だけが白く残ります。 白く残った部分に、染料で友禅と同じ様に彩色していきます。

 

友禅染の糸目の白い輪郭線がないので、模様の縁がやわらかく溶けるように見えます。

また、ロウの割れやムラによる「ひび割れ模様」が味わい深い作品に仕上がります。

 

部分部分で大胆に色を切り替えたり、階段状の濃淡をつけたり、ややモダンな絵画的な雰囲気になりやすい特徴があります。

 

蝋彩染の作家は、京都の山科に工房を構える中嶋剛司氏だけです。

蠟彩染を父親から引き継いだ中嶋剛司氏は、図案から染まで、こだわりを持って創作しています。

 

「百聞は一見にしかず」です。7月11日~13日の店で開催する「たなばた祭」で、先生と先生の作品に会えます。

織絵屋の松山です。今回は、今、きものをファッションとして楽しむ女性たちに、最も人気の羽織について述べます。

 

羽織の始まりは、戦国時代の武士の陣羽織です。

平和な江戸時代になると、男性の正装として、袴に黒紋付羽織が定着しました。

しかし、羽織は男性の権威を表すモノでしたから、女性が羽織を着用することはご法度でした。

 

江戸中期になると、粋な深川芸者衆が、「芸を売っても女は売らいない」という意思表示の為に、羽織を着用し、羽織芸者とも呼ばれるようになりました。

 

その粋な羽織姿は、たちまち人気になり、町人の女性の間にも広がったことから、幕府は町人の羽織着用禁止令を出したほどです。

 

女性の羽織は、大正から昭和初期にかけ、外出着に重ねる丈の長い羽織が流行しました。

 

戦後は、余裕のない物不足の時代でしたので、丈が短くなり、また、重ねるだけで準礼装となる黒の紋付羽織や絵羽織が一世を風靡しました。

 

しかし、昭和の50年代になると、そのような羽織も徐々に姿を消していきました。

 

近年、羽織の優雅さ、ファッション性に気が付いた女性たちが選ぶ羽織は7分丈、8分丈の長羽織が主流となっています。

織絵屋の松山です。今回は、麻(あさ)の着物について述べます。

 

大和言葉では、「あ」は全ての始まり、「さ」は田の神を意味し、初めて栽培した植物が麻だったのです。

 

古来、日本人の着物は麻素材でした。主な麻は大麻(たいま)と苧麻(ちょま)でした。

 

大麻は、日本人が縄文時代から着ていた着物の原点と言えます。大麻は、とにかく丈夫で実用的でしたので、庶民に木綿が普及する江戸時代まで、着物と言えば大麻でした。

しかし、戦後、GHQによる米国製の化学繊維を広めるための政策もあり、日本では大麻を自由に栽培することができなくなりました。

 

苧麻は、弥生時代から使われ、美しく進化した麻と言われています。繊維が細くてなめらかで、光沢があるので上品で、見た目にも「きちんと感」が出ます。

小千谷縮みや近江縮みなどの一般的な麻の着物は、苧麻から機械紡績したラミー糸で織られたものですが、洋服に使われる亜麻(リネン)に比べ、肌に触れた瞬間の涼しさが違います。

 

年齢を重ねると、涼しいだけでは物足りなくなるはずです。だからこそ、涼しさに品を足した苧麻の着物が似合ってくるんです。

 織絵屋の松山です。今回は染め替えについて述べます! 

 

 絹のきものは、他の素材と違って染めやすいという特性があり、染め替えもスムーズに出来ます。

 

 染め替えと言っても、様々な方法があります。

 

 色無地を染め替える方法は、きものを洗い張り(解いて、端縫いして水で洗う)してから脱色して、別な色に染めます。好きな色に染められる利点があります。

 

 脱色しないで、別な色に染める方法もあります。重ね染と言いますが、今の色の上から別な色を重ねるように染める方法です。深みのある色になる利点があります。ただ、今より薄い色には染まりません。

 

 訪問着や付け下げ、小紋などは、元柄を活かす染め替えになります。

 

 今の地色と違う色を全体に重ねて染める方法があります。地色だけでなく、柄も色が変わるので、シックな感じになります。

 

 元柄をそのまま残して、地色だけを重ね染めすることも出来ます。柄の周りまで暈かすように染める方法と柄を糊で伏せてから染める方法があります。

 ビフォアー

 アフター 

 

 紬やお召の織のきものも全体に色を掛けて、シックにしたり、シミを目立たなくすることが出来ます。

 

 絹のきものは、眠らせておくにはもったいないです。新しいきものに生まれ変わるのです。

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