織絵屋の松山です!今回、今から370年前に完成したと言われる友禅染について述べます。

 

友禅染が考案される前は、模様染めは絞り染しかありませんでした。当時、もっとも華やかな染めが「辻が花染」でした。

 

 そこに、宮崎友禅斎という天才的なデザイナーが現われ、友禅染を確立しました。染の自由度の大きい友禅染は爆発的な人気を博し、現代まで続いているのです。

 友禅染の作業工程は、細かくは15、6の工程がありますが、大まかに説明します。

 

 まずは、①図案づくり、②白生地を仮絵羽(着物の形に粗く縫う)、③②に青花で下絵を描く工程、④下絵の線の上から糊糸目(染料がはみ出さないように糊でダム)を置く工程、⑤糊糸目の中に染料を挿して染める作業、⑥⑤の染めた模様を糠糊でふさぐ工程、⑦地色を染める作業、⑧蒸して色を定着させる作業、⑨水洗い(糊を洗い落とす)

 

 友禅染は、分業制であり、それぞれの工程に熟練の職人が必要です。一つでもなくなったら、美しい友禅染は完成しないのです。

 

 現代では、型友禅や捺染友禅、インクジェット友禅がほとんどです。本物の友禅染はわずか1%にも足らず、後の世までも残したいものです。