4月に、京都の西陣帯『帯のあらた』を訪ねました。

 

『帯のあらた』は、今、話題の西陣帯メーカーです。

 

 昭和60年(1985年)創業の新しい小機屋です。創業者の今村俊氏は伝統的な分業制である意匠屋(図案を作る専門業)に頼らず、自ら図案を考案し、少数精鋭の熟練職人と共に帯を制作し始めました。

 

 さらに、平成14年以降、大学で建築デザインを学び、大手ゼネコンで働いていた変わり種の二代目・今村忠昭氏が、伝統的なデザインだけでなく、現代的な感覚を取り入れたスタィリッシュなデザインでセンスの高い帯を創り続けています。

 

 デザインだけでなく、高品質な絹糸と独自の染色技術を用いて、質感や色あいにもこだわっています。

 

また、締めやすさにもこだわっています。帯の裏の省ける浮き糸は、ほぼ省き、軽さと薄さを追求し、締めたときのガサガサとした感覚をなくし、体に沿ったより良い締め心地を追求しています。

 

 初めて「あらたの帯」を観た人は、その新鮮さに驚きます。すでに帯を数十本も持っている方でも、「こんな帯、見たことない!」と、購入する方が絶えません。

 

 忠昭氏は、西陣帯の火を消さないように、他の帯メーカーの休業状態の織機をレンタルし、新たな挑戦をしています。12日~14日、当店に来てくれます。