織絵屋のブログ
March 2025のブログ記事
03/26: 草木染きものの魅力とは
織絵屋の松山です。今回は見ているだけでも癒される草木染のきものについて述べます。
染色の起源は、草や木の繊維で織られた布を水や灰で漂白した時、たまたま鉄分を多く含んだ泥があったために発色し、それが泥染の始まりだと言われています。
様々な染色技術は、中国や朝鮮からの帰化人によってもたらされましたが、豊かな自然と四季のある日本では独自の数多くの色が作り出されました。
その結果、江戸時代には、色数80色以上も使って染められた友禅染もすべて草木染料だけで染めることが出来たのです。
ところが、20世紀に入ると、多くの化学染料がヨーロッパから輸入され、天然の染料・草木染料はあっという間に駆逐されてしまいました。
しかし、文芸者・山崎斌(やまざきあきら)は故郷の貧しい農村を少しでも豊かにしたいと、農家の副業として草木染による手織紬を復興させたのです。
『草木染』の名は、山崎斌(やまざきあきら)が、昭和5年、初めての手織紬復興展覧会を催した際、天然染料による染色を化学染料の染色と区別するために命名しました。
草木染は、全く同じ色を再現できない、濃色を染めるのに何度も重ね染めする手間がかかる、また、時間ともに色が変化する…などの欠点があるために量産することができません。
半面、土と草木の生命を写し取ったかのような味わい深い色に染め上がります。
そして、草木染のきものは着る人を優し気で美しく映えさせてくれるのです。
03/07: 野蚕「ムガシルク」「タッサーシルク」
きものは絹(シルク)から作られますが、絹(シルク)は蚕(カイコ)が吐く繭糸(まゆいと)が原料です。
蚕は家蚕、人間が飼いならした家畜ですが、三千年ほど前までは、自然の野山に生息していました。
一方、今でも自然の野山に生息し、桑の葉以外の木の葉を食べて育つ蚕を野蚕(やさん)と言います。
日本ではクヌギの葉を食べて育つ緑色の天蚕(てんさん)と栗の葉を食べて育つ茶色い栗繭(くりまゆ)が有名ですが、生産量が少ないので、見たことがない方も多いかと思います。
インドには、代表的な野蚕の「ムガシルク」と「タッサーシルク」があり、サリーやドレス、ショールなどに利用されています。
「ムガシルク」は金色に輝く美しい糸が特徴で、耐久性があり、柔らかく、滑らかな質感が特徴です。
「タッサーシルク」は自然な金色や茶色系の色合いで光沢感があります。マットな質感で、耐久性のあるシルクです。
京都にある呉服メーカー「貴久樹(きくじゅ)」は、一般的なシルクと違った独特の質感や光沢が特徴の「ムガシルク」や「タッサーシルク」を使い、日本の伝統的な染織技術で、他にない着物や帯を製作しています。
着物好きの方には見逃せない着物や帯です。