織絵屋のブログ
01/19: 『本場大島紬』について
日本三大紬の中で。今でも最も人気が高く、女性のあこがれと言われる本場大島紬。
大島紬の発祥の地は奄美大島です。歴史は古く、7世紀ころに始まったようです。
現在、本場大島紬は三つの産地で織られています。奄美大島地方で織られているものは地球儀印、鹿児島市で織られているものには国旗印、そして、宮崎県都城市で織られているものには鶴印の証紙がそれぞれ貼られています。
大島紬の第一の魅力は、世界一と言われる絣の細かさです。
様々な紬の絣は、絣部分を糸で括ったり、板で締めて作りますが、大島紬は締め機という独特の機で、絣を作るためだけに織り上げてムシロ状にしたものを染めて絣を作るのです。
第二には、テーチ木(車輪梅)と泥染にによる温かみのある深い色合いがあります。
テーチ木のチップを煮出して釜で、染めては乾かす作業を20回繰り返し、その後、奄美大島の鉄分を含んだ独特の泥田で染めます。
この作業を4回繰り返しますので、84回も染めることになります。だから、軽くてシワにならず、艶やかな風合いになるのです。
経糸と緯糸の小さな絣が正確に合うように織らなければならない織り手の女性は、イライラしたり、哀しみの気持ちがあると、自分の心の様がそのまま反物上に現れるそうです。
ですから、織り手の女性は、常に気持ちを落ち着かせ、反物に語り掛けながら織っていくそうです。
織り上がった大島紬の反物を出荷するときは、一晩抱いて寝る織り手の女性もいると聞きました。ロマンあふれる大島紬。一枚は欲しい着物ですね。