織絵屋の松山です。北国・岩手に住む私たちにとって、待ちこがれる春の訪れ。

 

その中で百花に先がけて咲く梅。梅の開花は「春はもうそこまで来ていますよ!」といううれしいお知らせになりますね。

 

今回は、梅の文様について述べます。

 

古来より、梅は寒さの最も厳しい冬に香り高く咲くために、特に尊ばれてきました。

 

梅の木は、奈良時代に中国から輸入され、中国文化の「学問に励むと梅が咲く」という故事『好文木(こううんぼく)』により、貴族に好まれ、当時は、花見と言えば桜ではなく梅の花でした。

 

菅原道真は特に梅を愛したことで知られ、やがて、天神信仰と普及につれて、梅は中世になると庶民の間でも人気が高まりました。

 

そして、梅の文様は着物や帯の文様に長く使われるようになり、今に続いています。

 

前回、『竹の文様』でも述べましたが、『松竹梅』は「待つ・産む・子供」を意味します。

 

梅は、中国では文字通り「母」を表しています。厳しい寒さに耐え、香り高き花を咲かせる姿は、まさに、子どもを産み育てる母親の尊さに重なります。

 

どこか艶やかで、華やかな桜文様に比べ、女性の品格、強さを表現してくれる梅文様は、大人の女性に取り入れと欲しい文様ですね。