織絵屋の松山です。今回は金彩友禅について述べます。

 

 金彩友禅とは、友禅染のきものに金銀などの箔や粉、泥を用いて、友禅染をより一層華やかにするための伝統的な染技法です。

 

 金彩は元々、友禅染の工程で生じた小さなミスや汚れを隠すために使われた技法です。

 

 しかし、職人たちの努力によって多くの金彩技法が生み出され、友禅染をより美しくする加飾として、その価値が高まりました。

 

 桃山時代には、小袖に摺箔や振り落とし砂子などの金彩技術だけで文様を表現していましたが、その後は、江戸幕府の奢侈禁止令などもあり、近年まで友禅染の最終工程である「お化粧係」としての脇役でした。

 

 ところが、現代では独自の技法と組み合わせで、様々な光彩のバリエーションが生まれ、現代の感性にマッチした文様や色彩のきものが作られています。

        画像:光映工芸株式会社 

和田光正氏は、金彩友禅の接着剤の欠点を、10年もの間、寝食を忘れて技術改良して克服しました。

 

 その後、150色以上の金銀箔、粉を用いた独自の、新しい金彩技法を開発し、「金彩友禅」という名称を定着させた功績で現代の名工(卓越技術者)にも選ばれました。

 

 また、能衣装や横綱千代の富士、貴乃花などの金彩友禅の化粧廻しなどを製作するなど、金彩友禅の普及に貢献しました。