織絵屋のブログ

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織絵屋の松山です。唐草文様というと、泥棒の背負う風呂敷を連想する方も多いと思いますが、格の高い着物や帯などに良く使われる吉祥文様です。

 

今回は唐草文様について述べます。

 

 

 

唐草文様の起源は古く、古代エジプトまでさかのぼります。ギリシャ、インドを経て、日本には、奈良時代に中国の唐から伝わりました。

 

「唐草」という植物は存在しません。唐の国から伝わったつる草文様という意味です。

 

唐草文様は、つる草がからみ合ったような流線形に葉や花、実などをあしらい文様化したものです。様々な唐草文様があります。

 

唐草文様は、つる草がどこまでも伸び、文様が切れずに連続しています。そのことから、子孫繁栄、延命長寿を意味するとされています。

 

近年まで、婚礼調度品などには唐草文様の大きな風呂敷が掛けられていました。これは、「両家の末永い繁栄を願い、両家のつながりがいつまでも続きますように!」というメッセージが込められています。

 

唐草文様の着物や帯をお探しの方は、気軽にお問い合わせ、またはご来店下さい。

織絵屋の松山です。今回は「四君子文様」について述べます。

 

本来、君子とは中国の宋の時代より徳行正しき人格者で、学識高く、清らかで高潔の人のことを言いました。

 

蘭・竹・菊・梅の4種が君子の特性を持つことから君子になぞらえ、四君子文様となりました。

 

 

 

これが日本に伝わり、4種がそれぞれに春夏秋冬の季節を代表することから、江戸時代には様々な物の絵柄として使われるようになり、やがて吉祥文様として扱われるようになりました。

 

『蘭』は、春にほのかな香りと気品ある花を咲かせます。また、清楚で控え目な姿が「善人蘭の如し」と称えられます。

 

『竹』は、夏でも凛とした青さを失わず、笹の葉がわずかな風でもサラサラと涼感を呼び寄せます。また、中空にして裏表のない高潔さを意味します。

 

『菊』は、秋に、寒さに逆らうかのように気高き花を咲かせます。また、菊の花は放射状になっており、太陽になぞらえられ百花の中で最上位とされています。

 

梅は、冬の厳しい寒さの中にありながらも、春に先がけ高貴な香りを漂わせながら花開きます。また、梅は子を産む母を意味し、目出度い文様とされてきました。

 

四君子文様の着物や帯をお探しの方は、気軽にお問い合わせ、またはご来店下さい。

織絵屋の松山です。今回はめでたい文様の代表といえる「松竹梅」文様について述べます。

 

 

『松』、『竹』、『梅』のそれぞれの文様は平安時代からよく使われていたようですが、それらの三つを組み合わせた文様が使われ始めたのは室町時代だと言われています。

 

『松』は、砂地や岩だらけの土地でさえ、何年間も芽を出す日を待ち続け、やがて芽を出し、たくましく生長します。

 

また、松は四季を通じて一年中、葉の色が青い常盤木であることから、古来、吉祥文様とされてきました。

 

『竹』は、そのすくすく育つ生長の早さ、中空の形状、また、年間を通じてみずみずしい青さを保つことから「聖人君子」を意味するとされてきました。

 

『梅』は、一年で一番早く、寒中でも百花にさきがけて咲き、芳香を放つことから新しい生命の誕生を意味しています。

 

これらのことから、『松竹梅』文様は「待つ・聖人君子・産め」を意味していると言えます。

 

結婚する若い二人に「聖人君子のような素晴らしい赤ちゃんが産まれることを期待していますよ。」というメッセージが込められた文様なのです。

 

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織絵屋の松山です。お客様から「私はウサギの柄が好きで、ウサギの文様がついた着物や帯をたくさん買っていますが、なぜ、他の動物に比べ、ウサギ文様の着物や帯が多いのですか?」という質問を受けました。

 

今回は、ウサギ文様について述べます。

 

 

 

確かに、鳥類は別として、動物文様の中でウサギ文様の着物や帯が一番多いですね。

 

ウサギ文様は、中国から『月とウサギの伝説』とともに伝えられたと言われています。

 

以来、日本では「古事記」の因幡の白ウサギや「十五夜お月さん」の餅つきウサギなど、様々なデザインのウサギ文様が使われてきました。

 

着物や帯に良く使われる理由は、一つにはウサギは愛と縁結びの神様の使いとされてきたからです。ですから、結婚式の披露宴の席などでもふさわしいですね。

 

また、十二支で方角を表す際、ウサギ(卯)の方角は東です。東は、朝陽が昇り、闇が明け、朝が訪れる方角です。つまり、「これからとても良いことが訪れますよ!」という意味が込められているので、縁起の良い吉祥文様なのです。

 

自分の生まれ年の干支を身に着けると招福になると言われますからウサギ(卯)年生まれに方には特におすすめです。また、向かい干支になる鶏『酉』年生まれの方が身に着けると厄除けになるとされています。

 

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織絵屋の松山です。一年中、葉が青い木のことを常盤木(ときわぎ)と呼、古来、縁起の良いものとされていました。

 

今回は常盤木の『椿』の文様について述べます。

 

 

 

椿は、日本原産の木です。梅が中国から渡来する前は、最高の吉祥木とされていました。

 

平安時代には、椿は油や化粧品、また不老長寿の薬として大切にされていました。また、最も高貴な色とされていた紫を染める媒染剤として、椿の灰汁が使用されていたそうです。

 

そんなことから、椿の花は貴族の間では高貴な花、聖なる花として扱われていました。

 

室町時代に興った茶道の普及とともに、椿は茶花として脚光を浴びました。特に、遠州流の祖が好んだ椿文様は『遠州椿』と呼ばれ、今でも、着物や帯に良く使われています。

 

そんな中、武士の間では、椿は花が首から落ちることから縁起が悪いとされ、家紋には用いませんでした。

 

 

また、同じように遊女の間では梅毒に罹患し、花が落ちる女性が多かったことから、椿文様は敬遠されていたようです。

 

しかしながら、椿は、古来、吉祥木とされ、邪気を寄せ付けない呪木(じゅぼく)とされていました。

 

源氏物語34帖「若菜」では、鹿革で作られた蹴鞠(けまり)の穢れを祓うために、椿餅(つばいもち)を食する場面が描かれています。

 

これらのことから、椿文様の着物や帯は吉祥文様、厄除け文様として一年中、楽しんで良い文様と言えます。

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