織絵屋の松山です。今回は、江戸小紋や友禅小紋、浴衣を染める型紙「伊勢型紙」について述べます。

 

今から1200年ほど前、子音観音寺の不断桜の落ち葉に空いた虫食いの穴を見て、模様を染める『型紙』に思い至ったという人の伝説が残っています。

 

その後、武士の裃を染めるために用いられ、やがて、江戸庶民の意気から「そこ至り」といわれる超微細な文様を染める型紙まで彫られるようになりました。

 

型紙は伊勢の白子(現在の三重県鈴鹿市白子)で彫られ、紀州藩の庇護を受け、独占的に発展したことから伊勢型紙と呼ばれるようになったのです。

 

伊勢型紙の製作工程は以下の通りです。

 

手漉きの美濃和紙3枚を縦横縦と交互に柿渋で貼り合わせていきます。それを天日干し後、杉のおがくずで一週間ほど燻してから柿渋に浸し一ヶ月半ほど乾燥させると、焦げ茶色の「型地紙」になります。

 

出来た「型地紙」を実際に型彫りに使うまでには、さらに、1~2年も寝かせる必要があるそうです。

 

そして、昭和30年の人間国宝制度の発足時に、人間国宝に認定された30名の中に伊勢型紙職人が6人もいることから、その技のすごさが理解できます。

 

伊勢型紙は美濃和紙を漉くことも含め、多くの時間と熟練の職人の手仕事によって完成しているのです。