織絵屋の松山です。今回、「きもの」の素材としての絹の魅力についてのべます。

 絹は三千年以上前に、中国で生まれ、シルクロードを渡りヨーロッパにも伝わり、それまで麻とウールしか知らなかった人々はその光沢やつや、柔らかい風合いに驚き、絹を金と同じ重さ買い求めたそうです。

 

 絹は蚕から作られますが、「蚕」は天から人間が授かった宝物です。繭から採れる糸は1200mにもなります。一枚のきものにはおよそ2,600個の繭が必要です。とても細くて超長い繊維だから、あの絹の独特のツヤや光沢、柔らかな肌触りが生まれるのです。

 ほぼ、毎日着物を着る私が感じていることですが、木綿や麻は丈夫でお手入れが簡単なので使い勝手は抜群です。でも、着た時にテンションが上がることはありません。

 

 しかし、絹素材のきものは、ちりめんでも、お召でも、紬でもそうですが、袖を通した瞬間にテンションが上がります。体も心も喜ぶ感じがします。

 

 絹はデリケートなので、扱いには気を使いますが、吸湿性、放湿性に優れ、また静電気も起きにくく、さらに紫外線をカットしてくれます。

 

 「きもの」はそんな最高の素材に、工芸的な染めや織りを施しているから体も心も喜び、着る人を元気にしてくれるのだと思います。