織絵屋の松山です。今回は、あまり聞いたことがないと思いますが『蠟彩染』について述べます。

 

蠟彩染は友禅染の糸目(模様の縁の線)の糊の代わりに蝋(ロウ)を使って防染する技法です。

 

一般的なロウケツ染の作品は、色ごとにロウを重ねながら染めるので、淡い色の着物や帯はほとんどありません。でも、蠟彩染は淡い色の着物や帯を染められる利点があります。

 

蠟彩染の染工程は、まず、白生地に模様部分を溶かしたロウで描き、その後、地色を染めます。

 

ロウを洗い流すと、最初にロウで描いた部分だけが白く残ります。 白く残った部分に、染料で友禅と同じ様に彩色していきます。

 

友禅染の糸目の白い輪郭線がないので、模様の縁がやわらかく溶けるように見えます。

また、ロウの割れやムラによる「ひび割れ模様」が味わい深い作品に仕上がります。

 

部分部分で大胆に色を切り替えたり、階段状の濃淡をつけたり、ややモダンな絵画的な雰囲気になりやすい特徴があります。

 

蝋彩染の作家は、京都の山科に工房を構える中嶋剛司氏だけです。

蠟彩染を父親から引き継いだ中嶋剛司氏は、図案から染まで、こだわりを持って創作しています。

 

「百聞は一見にしかず」です。7月11日~13日の店で開催する「たなばた祭」で、先生と先生の作品に会えます。