織絵屋の松山です。今回は持っていて重宝する色無地のきものについて述べます。

 

日本人は正解で最も多くの色を識別できる民族と言われます。

 

江戸時代には、茶色と鼠色だけでも四十八茶百鼠(しじゅうはちちゃひゃくねず)と言われるほど、多くの色数がありました。

 

「染司よしおか」の五代目当主・吉岡幸雄氏は、「これは、日本人の瞳が黒いことと、万葉の時代より、四季による自然の移ろいを身近に引き寄せたいと願った民族性による」と述べています。

 

様々な自然の色に趣のある名を付け、歌に詠み、白絹に染め、自然と共に生きた古の日本人にとって、きものは自然を纏う(まとう)ことと同じ意味だったのではないでしょうか?

 

「きものはTPOが面倒だ!」と言って、きものを敬遠する現代女性にも、ぜひ、揃えて欲しいきものが『色無地』です。

 

色無地はオールマイティーなきものです。家紋を入れて、結婚式や披露宴、結納やお宮参り、入卒、またお茶席などに着られます。

 

季節感を大切にするお茶席にも重宝します。

 

あえて家紋を入れなければ、ランチや観劇などのおしゃれ着としても楽しめるきものです。

 

色無地を揃えるときは、生地の良さにはこだわってください。

 

また、染め方ですが一般的な炊き染めではなく、引き染めの方が透明感のある色に染まり、顔映りが良く見えます。