織絵屋の松山です。今では、振袖は成人式用のユニフォームの代名詞のように思われていますが、多くの人が知らない深い意味があります。

振袖は、本来、未婚女性の第一礼装で、袖丈の長い着物を指します。

 

振袖は、「ふる・そで」でもなく、「ふれ・そで」でもなく、「ふり・そで」と呼びます。

 

「ふり」は「振り掛ける」や「振り払う」というように、振って何かをするというときに使います。それでは、袖を振って何をするというのでしょうか?

 

古来、日本人は振ることによって霊を呼び寄せ、新しい生命が生まれると考えていました。

 

古い祝詞に、「ふるべゆらゆら」という言葉があります。これは、モノをゆらゆら振ると、そこに霊が降りて来て、生命を与えてくれる現象を言うそうです。

 

つまり、振袖は袖を振ることによって、伴侶となる男性の霊を呼び寄せ、新しい命を授かると考えていました。そして、振るモノが長いほど、そのパワーが大きいと考えていたのです。

 

今も昔も、未婚の娘を持つ父母、祖父母の一番の願いは、娘の幸せな将来です。「どうか、娘が良い男性と巡り会い、元気な子宝に恵まれますように!」という切なる願いを、長い袖の振袖に託したのです。

 

結婚すると、袖を振ることを止めるので、止め袖(留袖)となるのです。

 

娘さん、孫娘さんに振袖を揃えて上げるときは、こんな振袖のいわれも伝えて下さい。

 

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