織絵屋の松山です。染色技法には様々な種類がありますが、今回は「竹かご染」について述べます。「竹かご染」は「かご絞り染」とも呼ばれています。

 

 この技法は、格子状に編んだ四角のカゴに、白生地を詰めて染め、独特のぼかしや不規則な模様を生み出す伝統的な染色技法です。

 

 まず、カゴに白生地をくしゃくしゃにして詰めるのですが、職人の指の感触だけで均等に詰めます。

 次に、詰めた白生地の上からジョウロで染料をかけ、一気に染めず、徐々に染料を染み込ませていきます。

 

 その後、生地を詰め直しながら染色を繰り返します。

 

 すると、竹かごに当たる部分と当たらない部分で、色の抜け方が異なるので絶妙なムラ(グラデーション)が生まれます。同じ柄は2点とないのが特徴です。

  

 

 さらに、染まった生地の上から別な色で25回も繰り返し染め、万華鏡のような柄になるモノもあります。

 ただ、現在では「竹かご染」ができる職人は極めて少なく、めったに見られない幻の染と呼ばれています。