織絵屋の松山です。今回は、江戸時代に藍染めと並んで二大染めと言われた『紅染め』について述べます。

 

昭和の初期まで、着物の裏地・胴裏には紅絹(もみ)と呼ばれた真っ赤な裏地が定番でした。これが「紅染め」です。

 

紅染めの染料は紅花から作られますが、紅花の原産はエチオピアと言われています。

 

 

 

紅花はエチオピアからエジプト、シルクロードを経て、飛鳥時代に中国から日本へと伝わりました。

 

古代エジプトでは、赤は永遠の生命と復活を願う色とされ、ミイラには紅花帯が巻かれ、紅の化粧が施されていたそうです。

 

また,日本の藤ノ木古墳(6世紀後半)の石棺からも紅花の花粉が発見されています。

 

紅花から採れる染料は黄色と赤です。黄色十に対して赤は一しか採れません。そのため、真紅は、一般の人は使うことを許されない禁色になっていました。

 

江戸時代、度々、奢侈禁止令が出されると庶民は表から見えない裏地や長襦袢に紅染めのモノを使うようになりました。

 

また、紅は血行を良くし、また、魔除けの効果もあるとされ、昭和の初期まで、普通に紅絹(もみ)が使われていました。

 

希少な鮮やかな濃い赤「紅絹(もみ)」の長襦袢が店に1反だけ残っています。興味のある方は、気軽にお問い合わせ、またはご来店下さい。