織絵屋のブログ
04/23: 娘を思う母親の愛から生まれた『秦荘紬(はたしょうつむぎ)』
織絵屋の松山です!今回は、琵琶湖の東岸にある滋賀県秦荘町で織られている秦荘紬について述べます!
他産地の紬に比べ、歴史は浅く、戦後生まれの紬です。
大きな違いは絣の作り方です。ほとんどの紬は括りの技術で絣が作られますが、秦荘紬は「櫛押し捺染(櫛型のヘラを使う染め方))で絣糸が作られています。
「櫛押し捺染」は五大上布に数えられる近江上布に受け継がれてきた技術で、染料を櫛状のヘラに付け、絣糸に染める技法です。
元々は、大正から昭和の初めころに、この地方の農家の母親が嫁ぐ娘に、せめて1枚か2枚でも「お蚕さん(絹の着物)」を持たせてあげたいと織った紬です。
近江上布の仕事の合間に、真綿から糸を紡ぎ、少しでも華やかになるようにと、櫛押しで糸を染め、織り上げ、そして、夜なべして着物に縫い上げ、娘に持たせたのです。
これが、秦荘紬の起源と言われています。
真綿の柔らかさと、優しい絣柄は、まさに母親の愛情を感じさせてくれます。
苦しく、せつない時に、母親が持たせてくれた紬に、多くの女性が元気づけられたことでしょう。
いつも、一人でがんばっているあなたも、秦荘紬の優しさに包まれて、一息つきませんか?
秦荘紬に興味を持たれた方は、気軽にご来店、またはお問い合わせ下さい。