織絵屋のブログ
01/15: 『小紋(こもん)』のいわれ
織絵屋の松山です。現代では、小紋とは、同じ柄が連続して染められている着物の全てを言います。
小紋は、小さな紋と書きますが、その由来について述べます。
その由来は武士の裃(かみしも)から来ています。
江戸時代に、参勤交代制度が確立し、地方の大名も、必ず江戸に上京しなければならなくなりました。
すると、江戸城の殿中で、同じ佐々木という家の武士がいた場合、どこの藩の佐々木さんなのか分かりません。
そこで、一目ですぐ分かるように、各藩の文様(小さな鮫文様やあられ文様など)を裃に染めたのです。
上の例でいえば、佐々木家を表す背紋や胸紋の大きな紋に対して小さな紋ということで小紋と呼ばれるようになりました。
やがて、小紋は様々な文様が染められるようになり、芸者衆を始め、女性たちも着るようになりました。
ところで、着物通の女性が良く使う言葉に「着物は小紋に始まり、小紋に終わる」という言葉があります。
これは、小紋のバリエーションの多さからフォーマルからカジュアルまで幅広く着回しできる重宝な着物だからこそです。
男の正装柄であった江戸小紋に、男しか着装できなかった羽織(少し長めが良い)を重ねて、「粋な女」を演じるのも楽しいと思います。
小紋が気になる方は、是非、お問い合わせ、または一度ご来店下さい。